なんやかやチャチ入れるからよろしくね!
腹腔内圧(IAP)と腹圧は同義語として扱われる場合が多いです。
しかしながら、このブログでは、この二つを区別して取り扱います。
以下、その考え方について説明します。
体幹の内側にある腹腔は、内臓の自動性(臓器そのものの動き)を別とし、自ら動くことはできません。
それゆえ、腹腔内圧(IAP)は腹腔のまわりの力に影響を受けます。
ここでは、この2つを次のように区別します。
- 腹腔を取り囲む筋が働く事により発生する力が腹圧
- 腹圧の力を受けて、腹腔内で変化する圧力が腹腔内圧(IAP)
要は
外側と内側の力を区別しろってことらしいぜ。
そして、腹圧が腹腔にもたらす影響はこの2つがあります。
- 腹腔内圧(IAP)を変化させる
- 腹腔の形を変える
例えば、このボールを腹腔だと仮定します。
(このボールの中にぐにゃぐにゃの内臓が入っていると仮定してみてください)
ギュッと周りをつつむように握ってボールを小さくします。
この手の力が腹圧です。
その力を受けてボールは、容積が小さくなり内圧が高まっています。
同時に、ボールは元に復元しようと掌を押し返しています。
これが腹腔内圧(IAP)が高まった状態です。
また、ボールの形を変えるように握ることもできます。
この場合、腹圧(手のひらの力)によりボールの形が変化しますが、腹腔内圧(IAP)はどちらかと言えば上下に逃げています。
このように外側の力=腹圧と、内側の圧=腹腔内圧(IAP)と分けて考える方が、力の方向性を考える上で便利です。
また、腹圧は呼吸および体幹の筋を働かせることで、意図的に変化させることができますが、腹腔内圧(IAP)は受動的にしか変化することができません。
外側と内側、随意的であるか受動的であるかの違いを確認するために、2つを区別する考え方を示しました。
もちろん、腹圧→腹腔内圧はほぼ同時に変化しますので、同義語として扱うとしても間違いではありません。
いずれにせよ、腹腔という空間に働きかけるということは、3次元におけるエネルギーの集中と分散という観点が不可欠になります。
そして、下記は腹腔内圧に特に関連する構造です。
これらについては、IAP補足シリーズにて順次記載します。
- 横隔膜
- 骨盤底筋群
- 腹横筋
- 内腹斜筋
- 外腹斜筋
- 腹直筋
- 横突棘筋(多裂筋・半棘筋・回旋筋)
- 腰方形筋
- 大腰筋、腸骨筋
- 脊柱起立筋
- 胸腰筋膜(TLF)
でもさ、これらってバラバラには働かんから、そこんとこよろしくっ!
(※このブログで腹腔と表現した場合、注釈がなければ腹腔骨盤腔を指します)
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