IAP補足:腹直筋・腹直筋鞘

anatomy illustration showing the abdominal muscles
IAP

腹直筋は腹部の前側を左右縦に走る帯状の筋です。

  • 作用
    体幹の屈曲と腹圧の上昇
  • 付着
    恥骨稜、恥骨結合⇆剣状突起、第5〜7肋軟骨
  • 神経支配
    肋間神経(T6~11)、肋下神経

 

腹直筋鞘は腹直筋と錐体筋を包む膜状の結合組織で、前葉と後葉に分かれます。

 

腹直筋上部3/4は

  • 前葉:表層から外腹斜筋腱膜、内腹斜筋腱膜(前葉)
    (第5肋骨〜肋骨縁は外腹斜筋腱膜のみ)
  • 後葉:表層から内腹斜筋腱膜(後葉)、腹横筋腱膜
    (第5肋骨〜肋骨縁はなし)

内腹斜筋腱膜が2つに分かれ、外・内層の橋渡し役を担っていることがわかります。

そして、この後葉の下縁が弓状線です。

この図では腹横筋の弓状線がポケットのように表されています。

弓状線から下、腹直筋下部1/4は

  • 前葉:表層から外腹斜筋腱膜、内腹斜筋腱膜、腹横筋腱膜
  • 後葉:なし

弓状線で腹直筋は内層に潜り込んでいます。

 

また弓状線より下の腹直筋の深層は横筋筋膜で、その下では腹膜が接しています。
ここは、外側ほど弱い構造になっています。

 

腹腔内圧は強弱をどちらにも構築できる能力が大切です。

腹直筋鞘の違いから、次の3部位別に観察すると良いでしょう。

構築の優先順位は②→①→③です。

 

弓状線の見つけ方

  1. ASISと恥骨結合の中間
  2. お臍と恥骨結合の中間
  3. 1と2の中間